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 ペットビジネス「動物病院とのトラブル」


ペットビジネス、とりわけ生体を取り扱うケースでは、動物病院が関係するトラブルがしばしば起こる。
前回のテーマでも取り上げた、ペットショップが動物病院を併設する場合の商圏がらみのトラブルには今回はふれない。
動物販売業者と消費者と動物病院が関係するトラブルについて事例をあげて考察する。

AペットショップはB消費者に子犬を販売した。
Bさんは子犬が時々、のどから物を吐き出すような仕草で咳をする事を気にして、Aショップに電話をかけたが、Aショップは「気にする事はない。」と答えた。
Bさんは近所の人の勧めもあって、C動物病院へ行き、この症状がケンネルコフと聞かされた。
こう言った事例はよくある事で、Aショップもケンネルコフと言う診断に異論はない。
飼育環境への配慮と安静によって、通常は数日で快方に向かうものである。
ところが、C動物病院がケンネルコフをBさんにどのように説明するかによって、この事はAショップとBさんとの間の深刻なトラブルに発展する。
最も極端で、C動物病院がAショップに悪意を抱くケースでは「あの店の犬は病気が多い。犬を返した方が良い。」と言う表現になる。
方向違いの正義感を持った動物病院の場合は、直接ペットショップに電話をかけてきて「正論」を述べたてる。
Bさんは「先生」の言う事を150%信じるから、この段階になるとAショップの説明など聞く耳をもたない。
生体販売を何年か続けたショップでは、少なくとも何件かの動物病院と険悪になった経験を持っている。
この関係がお互いの印象をさらに悪くし「あのショップの犬は・・」「あの獣医は・・」と、泥沼の状態になって行くのである。

長く営業するペットショップでは、自然の成り行きとして、懇意な動物病院もできて来る。
むしろ、これは動物病院が「賢明」である事の結果である。
ショップは生体を販売した時に、ワクチン接種やフィラリア予防などのために、特定の動物病院を推薦(指定に近い)するようになる。
推薦される立場となった動物病院は先例のような場合にもショップを悪く言うような事を避ける。
「環境の変化でよく起こる事だから・・・」と少量の「薬」を渡す程度に留める。
こういった対応はAショップにとってもありがたい事でAショップとC動物病院の関係はますます深まって行く。

誤解をさけるために付記するが、ペット業界はこう言った、ショップと動物病院の関係を必ずしも望ましいものとは考えていない。
動物病院側はより強く同じ認識をもっている。
ショップと動物病院の度を越した癒着は、消費者をあざむく事になるのは明らかである。
ペットショップが動物病院を併設する事を必ずしも善しとしない説は、この観点からは「正論」と考えるべきである。

ペットショップと動物病院の関係は、良好なものであるべきだが、消費者を裏切るレベルに達してはならないと考える。
難しい事だが一定の距離(節度)をおいた関係が維持されるべきである。
節度を失した関係は、結果的に消費者がショップも動物病院も見限るようになり、地域の信用を失墜して取り返しがつかなくなるものだ。