■「人と同じ」がキーワード
現代人には、犬を鎖でつないで庭先で飼うと言う発想はもはや無く、部屋の中で場合によっては寝床まで共有するような飼育を前提に犬を求めます。
ペットショップにとっては犬はあくまで商品なのですが、販売段階から子犬を終始「人並み」に扱う事が必須です。
「犬」と呼ばず「この子」、「オス」と言わず「男の子」、エサと言わず「食事」、「犬小屋」は「ハウス」と言った具合です。
犬の飼育者は、我が子に対すると同じように「きれいなベッドで寝かせたい」「おいしいものを食べさせたい」と本気で考えているのです。
ペットショップはオープンの段階から、この事を意識して商いの環境を整える必要があります。
子犬を陳列する場合は、人間の生活環境に近いものとすべきです。
昔のような鶏やウサギと雑居する環境で子犬を売るような事は考えられません。
一時よく見られた金属製のケージも、少なくとも客の見える場所での利用は減っています。
昨今、都市部のペットショップでは人間の部屋を内装する素材で、小さめの部屋を作ったものが主流になり、高級イメージを出しています。
子犬の販売は、いわゆる「動物商」とは程遠いものとなりつつありますから、「安ければ売れる」と言う物販の常識は通用しません。
子犬(家族)に対するこだわりが強ければ強い程、消費者の財布のヒモは緩みがちになります。
「高級犬専門店」と言う業態も成り立つような気がします。
ペットホテルに至っては、人間の部屋そのままです。
壁紙の色を変えたいくつかの部屋を選ぶ事ができ、カーテンもコーディネイトされ、同色のソファが置かれています。
夜も電灯は消しません。
犬よりも飼い主が満足するレベルで考えなければなりません。
愛犬の状態が旅行先でも携帯電話の画面で見られるようなシステムも増えています。
昨今、犬のシャンプーをセルフで行える施設が増えていますが、これらの施設の利用者はトリミング料金を節約しているのではなく、トリミングショップに預ける事がかわいそうと考えている事実に向き合うべきです。
ペットの美容室をオープンする場合には、飼育者の視点で器具や設備を見直すべきです。
自動乾燥器などは使用するにしても見えない場所に置くべきでしょう。
ベテラン?トリマーがよく使った、ハンダゴテで爪の出血を止める方法は、血止め薬などより何倍も効果的ですが、飼育者からは「残酷」と見られるようです。
調理人のようなゴムのエプロンで作業するのも考えものです。
Tシャツで通勤して来たトリマーがブラウスに着替えて作業をする例すらあります。
トリミングサロンの器具備品は、いわゆる業務用として色々なものがありますが、あえて犬用を使わず、人の美容室仕様のものを検討してみます。
知人がステーキ屋で、「一人前犬のために持ち帰りたい」と言ったところ、断られたと言う話を聞いた事がありますが、こう言う人が異状なのかどうかわからない時代になって来たと言えるでしょう。
知人の獣医は「動物に優しくするのが、繁盛のコツ」と言っていました。
ペットビジネスは高度なサービス業である事の認識が必要です。
■ペットビジネスとインターネット
無縁なようで、実に関係が深いのがペットビジネスとインターネットです。
少なくともペットショップの開業にはインターネットは必須です。
かつてはショップを開業すると職業別電話帳に広告する事が多かったのですが、ペットショップの開店告知について言えばインターネットの方が効果的です。
さらに消費者は、自分が欲しい子犬が近隣のショップの陳列に居るなどとは毛頭考えておらず、インターネットでの出産情報の検索やEメールでのショップへの問い合わせによって子犬を求めようとしています。
生体の仕入れにもインターネットは不可欠です。
トリミング、ペットホテルなどの予約もホームページ上で受け付けます。
客の要望があって、種オスを捜すような作業はインターネットの得意技です。
この結果、生まれて来た子犬を生後間もなく写真入りで紹介しておくと、目が開くまでに売り先が決まってしまいます。
犬のゆりかごから文字通り墓場まで、ペット事業者にとってもインターネットは情報の宝庫です。
専門家に付いて何年も勉強すべきであったペットショップ営業のノウハウは、一部を除いてインターネットで得られます。
このメルマガも例外ではありません。
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