メールマガジン「ペット・ここだけの話」
ペットのイエローページ バックナンバー一覧 関連サイト

ペットビジネス開業塾


ペットビジネス「愛犬家へのアドバイス」(2)


ペットの販売現場では、商談成立のためにどのようなアドバイスが効果的でしょうか?
私は過去に衝動的に子犬を買い、結果的に手放した経験があります。
生体販売にあたり、正確な情報をお客様に提供したいと考えています。

     **************************************************

繁殖の相談
ペットショップには繁殖に関する相談がしばしば寄せられます。
自店の「畑」を拡げる意味からも雌犬の飼育者に繁殖を勧める事は悪い事ではありません。
各犬種のたね雄は犬種ごとに子犬の仕入れ先に問い合わせる事で手配が可能となる例が多いものです。
特別な犬種の場合には業界専門雑誌のたね雄広告などを活用します。
交配に際しての礼金(交配料)はかつては「子返し」と言われる出産子犬1頭で支払う慣習もありましたが昨今は「子返し」が通用する例は少なくなっています。
交配料はこの慣習の名残りもあって、おおむね子犬1頭相当分が基準となっています。
雌犬の飼育者が主張する発情(出血)の開始日は曖昧である事が多いため交配日の決定にあたっては専門家による確認が必要です。
交配に際しては雌犬を雄犬所有者のところへ連れて行くのが慣わしで、この他の方法では交配そのものがうまくいきません。
交配の光景は愛犬家が想像するものとは程遠い事もあって、交配の現場に雌犬の飼育者を立ち会わせる事は特別の事情の無い限り避けるべきです。
出産が無い場合のトラブルが予測される事例では交配現場の写真を証拠として渡す例が多いです。
出産子犬の買い取りは奨励すべき事ですが、一般愛犬家は自分が買った値段で売れると考えている例が多く、トラブルとなる場合もあるため交配前に買い取り価格について協議すべきです。

成犬か子犬か
「犬は子犬から飼育すべき」と言う考え方は古くから多くの愛犬家に定着しており、今後ともにこの傾向が大きく変化する事は考えられませんが、「成犬から飼育を始める」必要性を全て否定できるものでもありません。
老人が犬を飼育する事の効用は万人が認める所で、老人が始めて犬を飼育する事例では、トイレのしつけや一定の服従訓練、いたずらの矯正など最も手のかかる幼年期を過ぎた犬が求められる例が多いものです。
ドッグショーへの出陳やたね雄としての活用を目的として売買される犬では、ある程度年令が進んでいる事が犬質(体型や能力)の評価に必要なため、しばしば成犬に近い年令で売買されています。
近年、我が国に輸入される犬の多くは欧米でチャンピオンタイトルを取得した成犬です。
これらの犬は各犬種の専門家が幼年期に一定の運動と訓練を施し、タイトル取得を経て輸出されます。
輸入犬は、安直に完成されたものを手に入れようとする高級志向の日本的愛犬家に高価で引き取られています。
子犬は生後6〜13週の社会化期に人間や社会と接触する事が必要で、この期間を過ぎて家庭に迎え入れた場合には、しつけが困難になる事が知られています。
タイトルを取得させるために、業者のケージの中でこの時期を経過してしまう犬がかなりの数にのぼっています。
各地の動物愛護団体は、飼育を希望する里親に成犬(一部子犬も)を譲渡する活動を行なっており、捨てられる犬の増加に伴って成犬の譲渡の機会が確実に増えています。
動物愛護センターなどで成犬を入手する場合には、その犬が手離されなければならなかった事情が犬側にあった可能性を忘れてはなりません。
これらの事情はその犬の飼育過程で一定の条件がそろった時に再び発現する事が充分に考えられるからです。
いずれにしても成犬の受け入れに際しては、できる限りその犬の前歴についての情報を入手する努力を怠ってはなりません。
職業繁殖家は出産率の低下した成犬を「譲渡」する形で処分しようとする例が多く、これらの犬は全くしつけがなされていない事も承知しておく必要があります。
一般に日本犬種に代表される神経質(主人に忠実)な犬種では、成犬の譲渡がスムースに行かない事も多いものです。
子供の居る家庭で犬を飼育する場合には、是非とも子犬から飼育するようアドバイスすべきです。

純粋種か雑種か
成長後の犬の体格や性格について高い程度で予知したい欲求があるなら雑種の子犬よりも純粋種の子犬を選ぶべきです。
特に子供に飼育を任せる予定の場合や狩猟など特定の目的をもって飼育を始める場合には、成長後の特性について情報を得る事のできる純粋種から選ぶべきです。
雑種の子犬は最低でも2犬種以上の犬の特性が混じりあっていると考えられますから可能な限り親犬を観察し、その体格や特質から子犬の将来を想像する事が望まれます。
体に比べて足が大きい子犬は大きく成長するとの経験から、親犬を見る事ができない場合に足の大きさを見て成長後を予測する事は古くから行われてきました。
犬に於いては4ヵ月齢の体格が成犬になった時の約3分の2の大きさであると考えて良いでしょう。
「雑種は強い」と一般に考えられていますが、特定の事象の比較のみでこの事を正論とするのは危険です。
遺伝的な疾患以外の感染症に対する抵抗力などの点で、雑種が強いと言われる根拠は認めがたいものです。
とは言え、純粋種では「標準」と犬質にこだわるあまり、近親繁殖が進み、その弊害として劣性の遺伝資質が固定された子犬をしばしば見かけるようになっている事も事実です。
我々は時に「野犬」の生態を観察する機会がありますが、野犬は決して理想的と言いがたい環境で出産し、充分でない栄養状況下で子犬を育てています。
その結果、弱い個体は自然淘汰され、残った強者のみが成犬となり、さらに子孫を残す事になります。
我々の目にふれる野犬のたくましさは、野生動物に通じるものであり、野犬と雑種を同一視する事によって「雑種は強い」と認識されているのかも知れません。

2頭目の飼育
以前から犬や猫を飼育している家庭で更に子犬の飼育を始める事について相談を受ける事も少なくありません。
これらの事例では、先住の犬にとってテリトリー内での勢力の順位が乱されないと言う原則内でならスムースな迎え入れが行われるようです。
当然、先住の犬より体格や年令の大きい犬を迎える事は望ましくありません。
先住犬の立場を無視した形で2頭目の子犬を家人がかまう図式も好ましくありません。
雄犬が居る所に雄犬を迎える事は、臭い付け行動やテリトリー防衛意識を更に刺激するようになるので覚悟が必要です。
一般に猫は新入犬の存在を無視する態度にでます。いずれの場合も複数の動物の成長過程での「順位」争いは自然に起こり、自然に秩序ができあがるものです。