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ペットビジネス「愛犬家へのアドバイス」


ペットの販売現場では、商談成立のためにどのようなアドバイスが効果的でしょうか?
私は過去に衝動的に子犬を買い、結果的に手放した経験があります。
生体販売にあたり、正確な情報をお客様に提供したいと考えています。

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生体販売の商談を成立させるには生体を飼育する事の効用を説く事が効果的です。
 〇情操教育面の効用(子供の責任感を養う)
 〇家族の対話が増える
 〇人間の健康促進(散歩のお供)
 〇用心(番犬)
などがキーワードです。
来客は「ちょっと見せて下さい」と言って入ってくる事が多く「〇〇を買いたい」と言う例は少ないものです。
すなわち「ちょっと見に来た」客に売らない限り売れない事になります。
物販の基本は来客の「見るだけ」と言うたてまえをいかに「欲しい」という欲求に変化させ得るかであり、雑談を通じて商品よりも以前に店舗の信用や店主の人間性を売る事に成功しなければなりません。
来客の中には「動物は死ぬのがいやだから」「どうせ子供は世話をしない」など、効用とは裏返しの意見を言う場合もありますが、これらに対しても 断定的な否定をせず「死があってこそ生命は尊い」「責任感を養う好機」であるなど共感を得られるアドバイスが有効です。
来客が生体を買う意志があるか否かは、来客のそぶりや目線によって高い精度で感じ取る事ができます。
家族連れでありながら子供が消極的な場合は「買わない約束」がされている事が多いようです。
犬舎や食器などに目が行く時は飼育を前提としていると考えます。
何よりも子供は正直で、折りを見て子供に「打診」する事によって来店の意図は判明します。
「この犬買います」という言葉を待っていたのでは犬も人も疲れるばかりです。
世間話に終止するのは無意味に終わる事が多いものです。
ペットショップへの来客はすでに生体を飼育している人が多く、愛犬家は雄弁ですから話に花は咲くが実る事はありません。
来店家族の「力」関係をも早期に見極めます。
ペットを飼育する事に家族全員が賛成している例は極めてまれで消極的態度をとる人物が必ずいます。
この人物を「その気」にさせる話術こそ商談を成功に導くのです。
生体販売員は狭義の「犬の専門家」であってはなりません。
犬の知識を並べ立て、果ては来客と議論を始める体の店主を見かける事もこの業界ではまれではありません。
「議論で負けて商いに勝つ」事を忘れてはなりません。
以下、愛犬家とのやりとりの頻度が高いと思われる項目について列記します。

雄がよいか雌がよいか
ペットの飼育を開始する場合に雄を選ぶか雌を選ぶかは重要な問題です。
10年以上に及ぶ飼育期間を通じて雄である事や又、雌である事が飼育環境やその家庭、家族に対しどのように影響するのか、適切なアドバイスを与えるべきです。
野生動物や野鳥に見られるような性による体毛や羽毛、色彩の大きな差は犬には一般に認められません。
ほとんどの犬種で、わずかに体重差、被毛の長短差や骨格の差が見られる程度で、犬に於けるこれらの差は性差よりもむしろ個体ごとの差としてとらえられる程度のものです。
すなわち、飼育犬の決定にあたって「見た目」を理由に雄雌のいずれを選ぶか議論する事は意味がありません。
雄を選ぶか雌を選ぶかはつまり、雄犬や雌犬の成育後の行動上の性差に重点を置いて考えられるべきです。
雄犬はある月齢を過ぎると片足を上げた姿勢で排尿する事は周知のとおりです。
この時期の発現は個体差や飼育環境に大きく影響され一定ではありませんが、複数の犬を飼育する場合に発現が早い事が一般的に知られています。
雄犬が示すテリトリーの支配欲は雌犬に比較して明らかに強いもので、上記の排尿姿勢「臭い付け行動」は終生続くものと覚悟しなければなりません。
次に雄犬の行動で不快なものとされるのが、他犬や場合によっては人に対する乗駕行動です。
乗駕行動は「しつけ」による矯正が可能、と言われていますが一般家庭飼育犬にこの「しつけ」の効果が認められないのも事実です。
乗駕行動は雄としての(雌にも見られる)正常な行動であり、無理な矯正は繁殖を前提とした飼育の場合に不都合な事もあります。
一般に雄犬に高率で発現する行動として、動作が活発、咬癖、いたずら好き、他犬を攻撃する、飼い主に反抗する、テリトリーを防衛する、などがあります。
雌犬を選ぶ場合の問題点として雌犬の定期的な「生理出血」に話が及ぶ例が多いものです。
適正な飼育環境下にあっては雌犬に年2回から2年に3回くらいの割合発情が見られ、約10日間にわたり陰部からの出血が続きます。
室内での飼育を予定する場合に雌犬が忌避される最も大きな要因です。
一般に雌犬に高率で発現する行動として、訓練が入りやすい、人なつっこい、トイレのしつけがしやすい、などがあります。

去勢、不妊手術について
家庭飼育犬の不快な行動が性別に由来するものであり、さらにその行動が容認の限界を越え繰り返し発現する時、しばしば去勢を含む不妊手術が検討されます。
雄犬を去勢した場合の行動特性の変化として、尿による臭い付け行動の減少、乗駕行動の減少、他犬に対する攻撃行動の減少、飼い主に対する反抗行動の減少、などがあげられます。
雌犬に不妊手術(卵巣割去)を施した場合は下の行動特性の変化として、発情の停止、性的行動の停止、体重の増加、などが見られます。
不妊手術の効用は一般に雄犬の場合に高く、問題行動の抑止効果を期待できるのも一般的に雄犬に対してです。
一般に言われる「性格が温和」になる効果についてはあまり期待するのは問題です。
施術時期については諸説ありますが、雄の去勢手術は8ヵ月齢から1年半位、雌の不妊手術は6ヵ月齢から1年位の最初の発情が終った後に行われる例が多いようです。
雌犬に於いては不妊手術によって発情出血が無くなる事はもちろん、子宮蓄膿症等の病気も防止できます。

大型犬か小型犬か
従来「御三家」と言われてきた人気愛玩犬種に比べ、昨今は大型犬の人気も上昇しています。
日本の住宅事情が改善された結果かというとそうではなく、テレビのブラウン管に登場する頻度の問題であったり、一過性のブームとしてその人気が急上昇し、急低落する犬種も見うけられます。
大型犬の飼育に際して求められる最も多い「相談」は、子供が管理できるか、室内で飼育できるか、を始めとする「可能か」と言うものが多いようです。
大型犬の飼育では当然ながら小型犬に比べあらゆる点で負担が大きくなります。
飼育に必要なスペースを始め、成長過程でのいたずらの程度、吠え声の大きさ、フードの必要量に加え、適正な運動量、服従訓練の必要性も高くなります。
大型犬の飼育を始めようとする愛犬家に対する最も重要なアドバイスは「充分な運動量が確保できるか」と言う問題でしょう。
運動量の問題は単に骨格や体型への影響に留まらず、大型犬の運動不足は欲求不満によるストレスをつのらせ、無駄吠えや攻撃的態度など、さまざまな問題行動を起こす原因となるからです。
犬体サイズに応じた必要運動量は犬種、年齢、健康状態などによって一定に論じ難いものですが、小型犬は室内や庭での自由な運動に加え近隣地域の散歩、中型犬ではさらに定時的な一定距離(2〜5km)の運動、大型犬では定時的な一定距離(5〜10km)の引き運動が必要である旨のアドバイスをします。
大型犬と小型犬を性格面で比較した場合、小型犬の多くがテリア系に属す事もあって、一般に大型犬の方が「穏やか」である事が知られています。
同一系列上にある犬種ではこの傾向が顕著で、シェルティに比べたコリーや、ミニチュア・シュナウザーに比べたジャイアント・シュナウザーなどの例を見る事ができます。

室内飼育についてのアドバイス
昨今は犬のサイズや犬種にかかわらず、室内で飼育する家庭が増加する傾向にあり、市街地のマンションでの大型犬飼育も普通になっています。
犬を家族の身近かで「室内飼育」する場合にも原則的に犬の居場所を定め、その領域は尊重すべきであり、常時犬を人間の支配下に置く「玩具」的な扱いは避けるようアドバイスします。
セントバーナードやピレニーズなど超大型犬の飼育では、よだれによる室内の汚れについても忠告します。
排泄の問題や運動量とストレスの関係など、室内飼育にあたっては解決しなければならない問題が多い事も言うまでもありません。

長毛と短毛
被毛の長短にかかわり無く、基本的な日常の手入れは欠かせない事をアドバイスします。
アフガンハウンドなど特に長い被毛を持った犬種の飼育では特別な被毛の管理が必要で、手入れのための時間と相応額の出費を考えておかねばなりません。
抜け毛が少ないとされるプードルやベトリントンテリアなどのトリミング犬種でも一定額の経済的負担が予測されます。
ビーグル、ダックスフンド、ブルドックなどの短毛犬種では皮脂腺の分泌が盛んで体臭が強い事も告知すべき事項です。