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「トラブルの研究・重大なトラブル」

詳細
 

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 ■  ■ ■      ■     ペットビジネスの転ばぬさきの杖
 ■■■■ ■■■■   ■     メールマガジン  2004/01/30
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 ■    ■■■■   ■     「ペットビジネス専科」38号
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「ペットビジネス専科」はペットビジネス相談室で、日頃相談事例の多いテー
マを順次取り上げていきます。
31号から40号までは、転ばぬ先の杖「トラブルの研究」がテーマです。
日本畜犬学会を窓口とし、多くの団体、専門家のご協力を得て刊行されます。

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         「トラブルの研究・重大なトラブル」
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ペットビジネスに於ける重大なトラブルとは、業務上愛犬家から預かった犬の
死亡や逃走である。 まさかと思う出来事が、何時かは起こる。
ペットビジネスの経験が長い人ならば必ず経験しているのである。
子犬を売った直後の死は、少なくとも幾分か「損失」としてとらえられ、ペッ
トショップ側はこれに対し、主に金銭や物質によって補償する。
一時的にはトラブルではあるが、誠意をもって対応する事で解決に向かうもの
である。
だが、すでに犬がその家族の一員となっており、特に子育てが終わった主婦が、
我が子同然(以上)に溺愛するケースで、その犬に万が一の事が起こった例で
は一通りの謝罪で済む問題ではない。

ペットショップの過失による成犬の事故には次のようなものがある。
○ペットホテルでの事故
○ペット美容中の事故、送迎途中の逃走

ペットホテルでの事故は夏に起こる。
狭いケージに入ることに慣れていない中・大型犬を預かるとする。
夏期はペットホテルの繁忙期だから、隣りのケージも向かいも犬がいっぱい。
黒い猫も居たりする。犬が吠えない訳がない。
夜中も吠え続ける。さてどうする?
どうしようもなく放置しておけば、近所から苦情は来るが事故にはならない。
どうにかしようとした人が事故を招く。 もっとも多い事例が口輪である。
吠える犬に口輪をするとどうなるか? 口が大きく開かないから静かにはなる。
だが、犬の口は音を出すだけの道具(クラクション)ではなく、熱交換器(ラ
ジエーター)の役割も果しているのだ。
吠える犬の体温は上がる。口輪のおかげで冷却が不可能となり、限界を超え、
さらに上昇する。
このオーバーヒート状態では、発見が早く、強制冷却がうまくいかない限り死
亡する。 普通は翌朝、口輪をしたまま、死亡した犬を発見するのだ。
これだけ余裕(すき間)があるから息は出来る。などと考えたのが間違いのも
とである。 この犬の死因は「解剖」にまで話がもつれたらごまかせない。
解剖すれば肺に血液が集まった悲惨な状態で・・・すぐわかる。

トリミング中にも事故が起こる。
箱型の自動ドライヤーで熱射病状態になるケース、最近の機種は改善されてい
るが、客への配慮から見えない場所に置かれている場合が多く、スタッフの目
が届かないための事故が多かった。
ハサミで耳の先を切ったりする事も多い、獣医による処置はもちろんだが、報
告の際には大きめに知らせよう。
「少し血が出た」などと弁解すると、客は「これが少し!」と激怒したりする。
「耳が片方・・」と報告しておけば、客は「少しでよかった」と喜んだりする。

トリミングテーブルから転落しての骨折は良くある。
トリミング中に電話が鳴り、テーブルから離れた時に多い。
骨折しない場合にはその後が問題、店の構造と運が悪いとそのまま逃走するの
である。 店の前が車の通行量の多い場所だと、ここが事故現場となる。
運が良くても行方不明になる。
近所の犬なら家に戻る事もあるが、車で送迎した犬の場合は望みはうすい。
さて、事後処理にも少しふれておきたい。
ペットホテルの場合は、飼い主は旅行中のケースが多いのだから死体を保管し
て帰りを待つ事になる。
この季節、動物の死体を数日保管するのは大変な苦労をする。
大きめの箱とドライアイスを入手する。 大きさはピッタリでも「ゴキブリホイホイ」などと書いたものはやはりまずい。 絶対ドライアイスがあるのはケーキ屋だ。
美味しくなくても日頃から駅前のケーキ屋とは仲良くしておいた方がよい。
飼い主が戻って来た時の事を考えると、明るい花で飾るなどの誠意も欲しい。
箱を地面に置いたりしない。

次に行方不明の犬の捜し方。(ただし保証の限りではありません)
犬種によって走り方がちがう。
ハスキーやスピッツなどソリ引き犬を先祖に持つ犬は、まっすぐ突っ走る。
(曲がるとソリがひっくり返る)
愛玩の小型犬種はむやみに直進せず、角があれば曲がることが多い。
橋は渡らないと考えた方が良い。
犬の気持ち(目線を低く)になって町を歩いてみる。
逃走中とは言え他犬が吠える様な場所は避けて通ったはずである。
犬はネオンを恋しがったりしない、必ずしも焼き鳥屋の前に座っている事もな
い。
おおざっぱに言って1日目は1キロ以内に居る、2日目で2キロ以内、とにか
く早く捜すことだ。 案外近くに居てびっくりしたりもする。
住宅密集地だと、どこかの家で保護されているケースも多いのでチラシを作っ
てあちこちに貼る。
「チラシを貼っても良いですか?」などと電力会社に電話している場合ではな
い。

運良く発見した場合には、気持ちはあせるが、むやみに走って追ってはならな
い。(追えば逃げる)
意識させないスピードで近づく、充分近づいたら、しゃがんでやさしく呼んで
みたりする。 ジャーキーの入っていそうな袋を見せて音をさせると来たりする。
一定の距離を維持しながら近付いて来ないケースでは、賭けに出る。(最後の
手段)
手をたたき、犬に注目させて反対方向に走ってみる。(逃げれば追うかも)
追って来たら、しゃがんで受け入れる。
ただし、この賭けに失敗すると、その先打つ手はない。

(この上の10行、犬を女性と入れ替えても通用する。
ジャーキーの袋の代わりにティファニーの袋を用意。)

その日の捜索で見つからない場合には動物保護センター、交番、ペットショッ
プなど思いつく限りの事をする。

それぞれのケースで最悪の場合の、その後の飼い主とのやり取りなど、想像す
るだけでも、ぞっとする。
「何で、こんな商売を始めたのか・・」と後悔の数日間を過ごす事になる。
確実にダイエットにもなる。

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